「おこしやす」と迎える京都府の夏祭り

「おこしやす」と迎える京都府の夏祭り

京言葉は、「はんなり」しています。「華なり」と書き、落ち着きと華やかさを持つさまを意味します。京言葉に、「おいでやす」と「おこしやす」がありますが、その違いは距離感です。確かに、京都の夏祭りは、一見さんの観光客には味わい尽くせないほど奥深いものがあります。「おこし(お越し)やす」にはそんな意味合いが込められているのです。「おいで(お出で)やす」と言われるご贔屓さんは夏祭りの美味しいところを味わいます。

■京都に夏を告げる「祇園祭」
京都は観光都市ですから、「ハレの日」にご祝儀(お金)を沢山集めなければいけません。そんな事情もあって、2018年10月1日から「宿泊税」が適用されます。税額は2万円未満が200円、2万円以上5万円未満が500円、5万円以上が1000円です。泊まりたいけど…少し悩みますね。さて、京都の夏祭りは「祇園祭」で始まります。期間は毎年7月1日(吉符入)~31日(疫神社夏越祭)まで1カ月間です。うち、7月17日の「前祭(神幸祭)」と24日の「後祭(還幸祭)」がクライマックスです。山鉾町が主催する山鉾巡行は前祭(山鉾23基)の午前9時(四条通堺町)~午前11時30分(新町御池)、後祭(山鉾10基)の9時30分(烏丸御池)~午前11時30分(四条烏丸)に行われます。同時に、神霊を遷した神輿が17日夕に八坂神社を出発し、四条寺町にある御旅所に入ります。御旅所で過ごした神輿は24日夕に寺町通を経由して、八坂神社に戻ります。山鉾が穢れ(けがれ)を祓った清い京都の街に神様をお迎えする儀式です。

■祇園色に染まる「宵山」と「神幸祭」
7月16日の前祭前「宵山」は、山鉾を間近で見学できるチャンスです。夕方から歩行者天国になる四条通りと烏丸通には屋台が出店します。京都の町中に23基の山鉾が飾られ、「コンコンチキチン、コンチキチン」と鳴る鉦の音がお祭り感を盛り立てます。祇園祭の名物は食べられない「ちまき」で、ご利益のある厄除けのお守りです。長刀鉾では建て(組立て)が終わる13日午後から、他の山鉾では14日から販売されますが、即完売となります。でも、ご安心ください。祇園祭の期間中に八坂神社で購入できます。17日は薙刀鉾を先頭に23基の山鉾が巡行します。見どころは重さ12トンの山鉾が竹の上を滑って方向を変える「辻回し」です。見る場所は川原町四条、河原町御池、新町御池の3カ所です。涼しいお店で優雅に観覧したいと誰しも思いますが、奇跡が起きない限りムリです。京都市役所に面した御池通沿いに仮設する有料観覧席をゲットしましょう。毎年6月6日前後からコンビニなどでチケット(全席指定)が販売されます。料金は3180円(税込)です。宵山の16日から京都のホテルは満室です。「どうしても」という人は1年前の予約をおすすめします。でも、祇園祭の期間はホテルも飲食店も「お祭り価格」(高い料金設定)です。大阪のホテルに宿泊して、祇園祭と大阪観光をダブルで楽しむのが良いでしょう。

■夏の夜に贈る「大文字五山送火」
毎年8月16日に京都の夏の夜を彩る「大文字五山送火」(左京区)は、誰がいつ始めたか不明です。民衆の自発的な行事とも言われています。お盆にお迎えした先祖の霊を再び浄土に送り出す行事であることには間違いありません。送り火は5分間隔で次々と点火されます。一つずつ点る炎には言葉にできない風情を感じます。右大文字(山麓に銀閣寺が建つ)は午後8時、松ヶ崎妙法(山麓に湧泉寺が建つ)は午後8時5分、舟形万燈篭(山麓に西方寺が建つ)は午後8時10分、左大文字(山麓に銀閣寺が建つ)は午後8時15分、鳥居形松明(山麓に愛宕神社が建つ)は午後8時20分に点火されます。見物客は約10万人で、この日も人であふれます。有名な右大文字を観るなら、鴨川デルタ(左京区出町柳)がおすすめです。鴨川と高野川が合流する三角州で、近くには下賀茂神社や和菓子店があります。でも、早めに場所を取らなければなりません。京都の人は右京区西院追分町にあるイオンモール京都五条(最上階駐車場)に集います。妙法は見えませんが、他の送り火は見えます。レストランは午後11時まで、カフェは午後10時まで利用できるので、送り火が終わった後に食事やお茶をまったり楽しめます。

■みたらし「祭」と「団子」
下賀茂神社(左京区)で毎年7月「土用の丑の日」(20日前後)に行われる「みたらし祭」は体験型のお祭りです。「足つけ神事」とも呼ばれ、下賀茂神社の御手洗池に足を浸して無病息災を願うお祭りです。平安時代に季節の変わり目となる時季に禊(みそぎ)をして穢れ(けがれ)を祓ったことが由来です。
御手洗池から湧き出る冷水で足を清めたら、みたらし団子に舌鼓を打ちましょう。みたらし団子は下鴨神社が発祥です。元祖「加茂みたらし茶屋」のお団子は五体(1串5個)を表していて、五体満足の願いが込められています。



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